006 股旅社中 デザイン競技会2017 [第一回 股旅社中会員総会会場にてプレゼンテーション大会]


住宅設計をより豊かにするためのデザイン鍛錬

股旅社中のメンバー工務店の全スタッフを対象とした、デザインコンペティションを行いました。
私たちの会の理念の一つであるメンバー同士の「相互鍛錬」の一環として、
家具や造作に関するプロセスの理解を深め、日々の設計に活かせるデザイン力の向上を目的として企画しました。
デザインテーマは、「変わる暮らしに寄り添う家具・道具」。
メンバーが日々取り組んでいる居心地の良い空間づくりとは「固定された生活」でなく
「緩やかに変化」する暮らしを受け止めるものとして捉え、季節に合わせて暮らす、
家族の成長に合わせてしつらえる、特別な日に合わせて装う、などのシーンを切り取り、
そこに寄り添う家具・道具を考えるということが出題されました。
このテーマに向けて、まず各社において社内選考会が行われスタッフ同士が競い合います。
その過程は他社のメンバーにも公開されてきたため、笑顔でいながらも「負けるものか」という火に油が注がれます。
他者・他社との比較ではないとわかっていながらも、皆負けずぎらいです。
賞金も賞品もない競技会ですが、各社でギアが上がっていく様子がメンバー間で噂されました。
そんな過程を経て各社の代表が選ばれ、正式発足以来1年目に開催された会員総会の会場で、
いよいよプレゼンテーション、審査が行われました。



8人8様の「変わる暮らしに寄り添う家具・道具」

まず、くじ引きにより発表順を決め、最終選考に選ばれた8人によるプレゼンテーションが始まります。
審査は、テーマの出題者である股旅デザイナー・村澤一晃、メンバーメーカーである境木工・杉山製作所・園田椅子製作所、
そして事務局が務めます。より競技会の趣旨に適っているか、メンバーメーカーが製作に携わりたいと感じるかどうかが審査の指針です。
8人8様の「変わる暮らしに寄り添う家具・道具」が、それぞれ発表時間いっぱい使ってプレゼンテーションされます。
リハーサルをしっかり行ったことがうかがえるプレゼンテーションです。
発表が終わると、審査員だけでなく会場のメンバーからも質問が浴びせられます。
手前味噌になりますが、なかなか熱い競技会となりました。
大きなもの、小さなもの、家具、道具、どこの家にもあるモノの見直し、いま無いモノのアイデア。
発表されたデザインはそれぞれですが、プロダクトメーカーにはできないこと、
いままでの工務店ではつくってこなかったものへの挑戦ということで、股旅社中メンバーらしい発表となりました。



最優秀デザインはイシハラスタイル 石原真に決定

熱いプレゼンテーションの後、審査の協議も緊張感に包まれました。それぞれの視点で、意見を交わします。
この段階で合意が得られればそれで決定となったのですが意見は分かれました。
話し合いでは決めきれず、仮の多数決を取った上で再び意見交換。審査時間を超過してようやくまとまりました。
結果、最優秀デザインに選ばれたのは、イシハラスタイル・石原真の可動式ウォールミラー「股旅鏡」でした。
賞金も賞品もありませんが、栄誉を讃えるために審査員がヒミツで用意した鉄と木でつくったトロフィーが授与されました。
ちなみに公表はされていませんが、最後まで審査の協議を難航させた次点は、ベガハウス・廿枝モト子の三つの素材の置床「Tocoto」でした。
果たして、競技会は趣旨にそって成果があったものだったと考えます。
いままでなかったもの、あったらいいものは何かを見つめ直し、股旅ワークショップに取り組む工務店だからこそのモノづくりを、
日々行っている家づくりに結びつけてデザインする「相互鍛錬」の機会だったとメンバーで共有することができました。
第2回の競技会を行うこともこの場で確認し合いました。



●参加者リスト(発表順)
イシハラスタイル 石原 真「股旅鏡」可動式ウォールミラー
沖田 Team TAMAGOYAKI「TAMAGOYAKI」変化するローテーブル
創建舎 辻 直子「mospos」都心の家のポスト
ベガハウス 廿枝モト子「Tocoto」三つの素材の置床
ウエノイエ チーム ウエノイエ「ムービング」一生使うカレンダー
佐保建設 チーム さほらぼ「たよるん」踏み台&背もたれ
丸晴工務店 丸晴工務店チーム「木ボックス」連結できる板と箱
特別参加 中村圭吾(元ベガハウススタッフ)「TOMBO TABLE」脚のせのあるテーブル