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街づくりをデザインする工務店
[沖田・股旅デザイン班]

 

マルチタスクで面白そうなことをやる

沖田と股旅デザイン班の村澤一晃が、定期的に行っているワークショップに参加しました。沖田を訪ねて感じるのは、いろいろやっている、 新しいことをやっている、同時にいくつかのことを並行してやっている。そんなふうに、面白そうなことにマルチタスクで取り組むモノづくり集団だという印象です。 今回、沖田が取り組んでいる面白そうないろいろとは。


「風花山本」の新プロジェクト

風花山本は、広島市安佐南区山本というエリアで、定期借地権付・注文住宅の分譲地13区画に付けられた名称。 沖田が取り組んでいる街づくりプロジェクトのことで、「フウガヤマモト」と読みます。風花は、花鳥風月の二文字であるように自然や風物の意味を持ち、 フウカでなくフウガとしたのは、音楽の演奏形式であるフーガの意を重ねて、文化的な楽しさや豊かさもこのプロジェクトで実現していくことを目指しているからです。
すでに、1区画を残すだけとなり、プロジェクトは完成形に近い状態なのかと思ったら、この日は新プロジェクトの開始が宣言され、風花山本の街を歩きながらのブレーンストーミングとなりました。 プロジェクトの狙いは、環境整備です。すでに住んでいる人たちがより満足して暮らせるよう、住人参加を視野に入れながら策を探ります。 工務店がここまでやるのかと、ちょっと驚きました。都市計画・土地開発といった街づくりでなく、暮らしから住宅を考え、そのつながりで街のデザインをするということが工務店ならではの街づくりだと思いました。 風花山本は沖田らしさと工務店の可能性を膨らませるスケール感を感じます。
そして風花山本でのトピックはもうひとつ。ここに建つ住宅の一つは沖田のモデルハウスですが、そのモデルハウスに併設するように、社屋を建てるプロジェクトがすでに着工していました。 完成したときは、メンバー全員で沖田を訪ねることになるでしょう。どんな社屋になるのか、期待しています。
(※新社屋は2020年2月に完成)


ワゴンプロジェクトと仮称・オフロードキッチン

街づくりや環境整備といったテーマと同時に、オリジナルの家具づくりにも取り組んでいました。「ワゴンプロジェクト」と呼ばれていたのは、 新社屋の執務スペースの活用計画から発想したオリジナル家具ということで、この日は鉄製フレームのキャスター付きワゴン3次試作品を囲んで話し合いが行われました。 この3次試作は、ほぼ完成モデルということで進んでいたようですが、議論の結果、大幅変更しての4次試作の製作に取りかかることとなりました。 一歩進んで二歩下がることを厭わず、次に三歩、四歩進むことを目指します。
そして、新たに始まったのはオリジナルキッチンを考えるプロジェクト。第1回のブレーンストーミングが行われました。 テーマは、「キッチンをもっと良くしたい」。大きなテーマですが、身近で具体的な問題解決のためでなく、ある意味では捉えどころや評価基準が不定な抽象的で難しいテーマともいえます。 この日は、キッチンなのに「オフロード」というキーワードで盛り上がりを見せましたが、この先どんなふうに進んでいくのか、楽しみです。
やはり沖田は、いろいろやって、新しいことをやって、面白そうだと感じるとどんどんやっていきます。 その前向きな力づよさが、お客様からの信頼にもつながっているのではないでしょうか。



股旅デザイン班、全員集合! !

これまで、股旅社中のデザイナーは村澤一晃ひとりでしたが、あらたに中村圭吾と堀達哉が加わり、3人体制で股旅デザイン班となりました。 今回の沖田のワークショップには、この3人が全員揃って参加しました。
股旅社中では、見学参加でも意見、発言を遠慮するとか静観するとか、そういう感じがまったくありません。 中村も堀も、プロジェクトの当事者の一員となって議論に加わりワークショップを盛り上げます。
クリエイティブな活動というのは、出し惜しみするものではないと感じます。つくるということは、一人でやることではなく、誰かとチームになって、誰かのためにやることです。 意見やアイデアのキャッチボールから、新しい糸口に気づくことがあるものです。 股旅社中のメンバーが会社の枠を超えて、会として共に活動するのも、こうした姿勢の現れだと思いました。
そして、工務店とデザイナーがチームとなって取り組むのは、デザインのやり方からデザインすることです。 小さな取っ手から街づくりのデザインまで、股旅社中はデザインしています。