009 家具の精度でつくるキッチン [イシハラスタイル+境木工:タフなキッチン 第2話]

暮話したら「熱いな」と思った。熱いのは好き、信頼できる

建て主の長田さんは家づくりを考えているときいろいろな住宅を見て回り、
その中でイシハラスタイルの見学会には3回参加されたそうです。
長田「石原さん(イシハラスタイル代表)と話していると『熱いな』と感じて、
智葉さん(設計・インテリアコーディネート)と話しても『けっこう熱いな』と。熱いのは好きです。信頼できます。
それと、家のいろんなところに気持ちいい場所があり、そこで石原さんと話しているのが気持ちよかった」
それが、イシハラスタイルに決めた理由だと話してくれました。


プランの途中でブラックチェリーのワークトップをウレタン塗装で仕上げることを提案したとき、
長田さんがとても残念そうな顔を見せたそうです。
長田「せっかく鉄のフレームにして無垢のブラックチェリーなのにウレタン塗装なんだ、
とひっかかったのですが、プロが言うなら諦めようと一度は思いました」
石原「そのとき、村澤さん(デザイナー)が言い切ってくれました。
販売店が販売することは無理な仕様でも、使う人と工務店とこの関係があればイケル、と」
長田「キッチンが完成したあとに、他の家のオープンハウスに行ったり本を見たりしましたが、
自分のキッチンがいちばん素敵だと思えるキッチンができました。嬉しいです」

股旅社中にとっても、活動がお客様の満足度を高めることにつながった嬉しい事例です。


グラマラスな木材でつくる「タフなキッチン ver.2 」

イシハラスタイルでは、境木工、村澤と共に、タフなキッチンver.2にも取り組みました。
天然木材の表情であるフシのあるオーク材を使用するオール木製。脚部フレームの太さは47mm角という、
とてもグラマラスなオークの角材で構成されています。まさにタフな道具。
イシハラスタイルの建築とよく調和しています。


キャビネットの引き出しは、桐の無垢材。
蟻組みという伝統的な工法でビスや釘を使わずに職人技で組み立てられ、
レールを使わない摺り込みの構造でつくられます。目地がきっちりとそろい、
ちょっと勢いよく引き出しを押し込むと他の引き出しがふっと押し出されます。
伝統的な和箪笥の工作精度。カンナを当てながら調整することで実現する仕上がりです。

いちばん難しいことは、現場におさめることです。精度の高いユニットを施工するには、
正確な寸法出しや取り付け・組み上げ方法の綿密なやり取りが欠かせません。
股旅社中のビルダー・メーカー・デザイナーの関係があるからそこ可能なやりとりです。

お客様に引き渡しが済んだ直後、イシハラスタイルのワークショップを見学に来たメンバ-とともに
完成したキッチンの見学にうかがいました。住まいとキッチンと暮らしが見事に調和している様子がうかがえます。
タフなキッチンの使い心地、とても良いと喜ばれていました。