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熱く考え、まじめにていねいに家をつくる
[三友工務店]

 

知的で情熱的で地域に根ざした工務店

股旅社中が発足した初年度に入会しながらも、熊本地震からの復旧に努めてきたあいだ、股旅社中活動もままならなかった三友工務店。
完全復旧まではまだ時間を要するものの、ようやく通常の業態に戻ってきた時期に、三友工務店が主催する熊本ツアーが行われました。


「作ると伝える」が仕事の両輪

各地から集まった会員は、まず三友工務店の社屋において代表の古閑から会社案内を聞かせてもらいました。古閑が先代である父親から会社を受け継いだ経緯。 家づくりの考え方。三友工務店の仕事の特徴、などなど。こう書くと、聞いていて退屈そうだと感じるかもしれませんが、古閑の話は会員の関心をしっかりと集めました。
三友工務店は、堅く・細く・永くをモットーに、安心して働ける会社であることを目指すといいます。地味な話に聞こえるかもしれませんが、 それは自由に柔らかく仕事をするための手堅さであり、変化・進化・革新の積み重ねを実践しているということです。
家づくりの考え方は、「まじめに、ていねいに、いい家をつくる」。それをお客様にどう伝えるか、どう発信するか、という工夫や活動には皆感心していた様子です。 普通で当たり前のことをちゃんとやる、というのはなかなか難しいことですが、三友工務店はその難しいことを実践していることがリアルに伺えました。 営業スタッフを持たない三友工務店ですが工務も設計もそれぞれが、伝えて繋げるコミュニケーショ ンのプロだと感じさせてくれます。
「作ると売る」でなく、「作ると伝える」が三友工務店の仕事の両輪だと感じました。



現場で感じる「お客様からの信頼」

続いて、完成邸と現場の見学へ。古閑によると、三友工務店の家には決まった型はないといいます。その家ごとにお客様の要望を聞いてやっているだけですから、と。 股旅社中に入会した理由の一つは、会員同士が研鑽することで、三友工務店の家はこうだといった型を作り出したいと考えたから、とも言います。 特徴的で魅力的な型は強みのひとつですが、自由設計の家を求めてこられる方がお客様だということも現実です。 型がどうこうはさておき、三友工務店の完成邸と現場で感じたのは、お客様の満足感や嬉しい表情が思う浮かぶということです。 お客様に言われた通りにつくるのでなく、要望や願いを叶えるように一邸一邸しっかり考えて丁寧につくっている。それが型がないことの特長だと感じました。 その後、森林研究所が建設中のとある施設の現場を見学。木造大空間の構造を間近に見て、手で触れて、圧倒的な木のボリュームを感じる貴重な体験もさせてもらいました。


熊本城で感じた「地面と建築」

二日目は復旧工事が進められている熊本城の見学。ボランティアガイドの方に案内していただき、2時間かけて熊本城を1周しました。
なにもかも凄いと感じました。建造物としてのスケール感。崩れた石垣を目の当たりにして、被害の酷さと、よくぞこれを人の手で積み上げたものだという驚きと、 崩れた石ひとつひとつにナンバーをふって崩れる前の状態に再現するということ。ほんとうにそんなことができるのかと、驚きの連続です。
25年かけて再生するということです。熊本の人たちの大切なシンボルであることがひしひしと伝わってきました。 そして、大地の上にこのようなものを建てることができた人間の能力に感動し、熊本の人たちだけでなく、人間の宝でもあると感じました。 まさに文化財です。熊本と熊本城の復興が着々と進むことを願います。